睡眠が運動の質を改善する!

前回はマラソン選手の睡眠について書きましたが、今回は一般の方の睡眠と運動の関係についていきたいと思います。

運動が実際に睡眠の質を改善するのか?についての実験は、これまでに沢山行われています。
それらの実験は、昼間運動した時と、しない時に夜間の睡眠を脳波などを用いて調べ、睡眠の深さや中途覚醒の時間などを調べるものです。

これらの実験の中で一番古いものは、1966年にベークランドとラスキーという2人の研究者が行った実験です。
彼らは、大学生アスリート10名を集め
①午後に運動させる
②寝る前に運動させる
③運動させない
の3条件のあとの睡眠を比較しました。

結果は、上図に示したように、午後に運動したときのみ深い睡眠が増加するというものでした。

棒グラフは、深い睡眠である徐波睡眠の時間を睡眠全体の時間のパーセンテージで示してあります。
まったく運動しないときには、約30%の徐波睡眠が午後の運動の後では40%まで増加しています。
夜の運動では、平均値では少し増えてはいますが統計的に意味のある増え方ではありません。

もう一つ気づかれるのは、運動していないときの徐波睡眠の量が、30%程度とかなり多いということです。
一般の人は、徐波睡眠は大体20%程度です。
この理由ととして、この実験の被験者がアスリートであるためではないかと指摘しています。

この結果から
1.運動は徐波睡眠を多くするという意味で、睡眠の質を改善させる。
2.夜寝る前の運動は、身体的なストレスを与えるため、睡眠の質を悪くする面もある。
3.アスリートの睡眠では一般の人よりも徐波睡眠が多い。

1日の運動は運動は睡眠の質を改善させますが、タイミングによってはあまり改善しないこともあります。
一般的には、運動をするとよく眠れますが、あまりにご自身にとって高強度な運動をすると体にストレスが加わってしまい、睡眠の質が悪化することも忘れないでくださいね。
ちなみに、その時の悪化は中途覚醒が多くなるというこよです。

まとめ

運動習慣のある人の睡眠が、より深く安定したものだということは、さまざまな研究で示されています。
運動が睡眠に及ぼす影響は、習慣的な運動のほうがより安定した強い結果効果があるということで、夜間の中途覚醒に関しては、一度だけの運動では中途覚醒の時間に変化は出ませんが、運動習慣のある人は中途覚醒のの回数が少なく、安定した睡眠が得られることは明らかになります。

また、運動習慣のある人は、ない人に比べて睡眠時間が長いということも特徴です。

運動は、もちろん睡眠だけではなく、メタボの予防、改善などにも役立ちます!

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